ご相談前の下準備『ご自身で資産評価、試みては如何』情報・知識等の収集は大変大事です。基本の「路線価」確認要です。

イメージ写真はエイセンハウスの商号の謂れともなりました和菓子店時代の「岡埜栄泉(オカノ_エイセン)」の看板です。現在でも大事に応接室の棚に飾ってあります。以下の写真は和菓子店の営業中に使用していた道具類です。閉店後に「文京ふるさと歴史館」に寄贈させて頂きました。
    

==追加記事==

良く承りますご依頼のほとんどの内容(ご売却をお考えの方の)は、至極、当たり前と思いますが、現在、売却するとしたら果たして「どの程度の金額で売れますか?」とのことです。

そこで思ったのですが、我々のような不動産業者にお出でいただく前に、ご自身で前もって調査されてから、、と考えました。其の調査方法の一つの手段は「公のホームページ」に、情報が出ています。

その手段は「路線価」による考え方です。ウェブサイトで「路線価」と検索して頂ければ、誰でも・費用も掛からず(タダです)・全国何処の場所でも、、検索が可能となっています。先日(2021.7.3)の日経新聞にも「路線価」の記事が掲載されていました。👇👇👇に貼付しましたのでご覧頂ければと思います。相続税の根拠計算にも活用されていますので、是非ともご覧頂ければと思います。

尚、2021.7.1国税局発表の路線価ですが、価格が上昇したのは全国47都道府県のうち7県のみで、東京・大阪・愛知は下落したそうです。商業地を中心に、現下のコロナ感染症の拡大が影響したと考えられるそうです。また、標準宅地の評価基準額も全国平均ですが、昨年(前年)から0.5%ほど下回り、下落はなんと6年ぶりとのことのようです。






👇これより本文となります。

【ご相談されます前準備、収集可能な情報・知識は大変重要だと感じております】
さて、ブログタイトルに記載しました「資産評価」しかも、「ご自身で」、などですが、本当にそんなことが普通の人でも可能なの?と、多分、皆さんそう思われるかと思われます。確かに、正確(何が正確かは分かりませんが)な「評価」は無理かもしれませんが、そこまでの数字はともかくとしまして、凡その評価程度あれば可能かと考えます。従いまして、今回の方法で一度お試し頂いた後に、専門家(例えば、不動産業者など)にご相談されたら如何でしょうか。先ずは、ご自身である程度の情報や知識は持っていた方が宜しいと思います。


では、今回のブログでは「土地の査定」を試みてみます。査定の仕方としましては本ブログでもご紹介しています内容の「一物四価」のお話と重なります。一物四価のお話はこちらからご覧願います。



【土地評価の方法を順を追って考えてみます】

👇以下ご注意願います。
①路線価から査定を試みます。本ブログに記載しています「路線価の数字(金額)」は令和1年度の数字になっています。従いまして、以下の計算しました結果の数字も令和1年度のものです。

【尚、 令和2年度では地価上昇の傾向の為、約10%ほどの上昇となっております】


路線価は相続税申告時に土地評価の方法として使われています。何処から調べるかと申しますと、今日日はネット上に掲載されています。何処のネット上かと申しますと
「国税庁のホームページ」です。以下に其のURLを貼っておきましたので是非一度ご自身で、ご自身の土地の評価をご確認下さい。
👉http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm


では、その路線価図の見方からご説明したいと思います。ご説明するに当たりまして、何等かの参考資料が必要ですので「エイセンハウスの所在地」を参考資料といたします。
尚、土地評価の要素としましては、用途地域(商業地域等々)・道路幅員(道幅)・方位(東西南北)・道路との接道の幅・角地か挟まれた立地か・土地の形等々が考えられますが、今回はそれらの要素は除きます。

👇エイセンハウス所在地の令和元年度の路線価図です。




上記路線価図の「路線価格」の数字をご覧願います。其の数字は「1,120B」と記載してあります。この価格の意味は「1㎡当たりの金額」を示しています。また、其の「単位は千円」です。
因みに最後のアルファベットの「B」ですが、これは此の地域の「借地権割合」を示しています。今回のブログでは記載はしませんが「Bは借地権割合80%」という表示です。

上記のことからエイセンハウス所在地の路線価は㎡当たり1,120千円(112万円)ということが解ります。もう少々馴染のあります単位・坪あたりの価格に計算をし直してみます。
1,120,000円÷0.3025(係数)=3,702,479円=約3,700,000円
従いまして路線価での評価は「約3,700,000万円」となりました。この路線価評価方法は「土地評価(価格)」の中で、一番低目の評価であると言われています。



【第1番目の査定:路線価価格=約370万円となりました】


また余談ですが、2019年7月1日付朝日新聞には、以下のような内容の路線価に関します記事が掲載をされていました。路線価の上昇は当然ですが「固定資産税アップ」に繋がります。バブル当時も凌駕する勢いの今日の地価の上昇が、緩やかになるか、又は下落傾向にならない限り「路線価上昇~固定資産税アップ」の傾向は続くものと思われます。そこに、少しでも税収アップを望んでいることも加わりますね。






②公示地価から査定を試みます。

公示地価も路線価と同様にネット上に掲載をされています。では、何処のネット上かと申しますと
「国土交通省のホームページです。ここでお気付きかとは思いますが、、路線価・公示地価、発表しているお役所、、違うのです!?何故かは知る由もありませんが、何方かで「統一」して欲しいですね。公の数値が役所の考え方で「乖離?」を生じるのであれば如何なものか??ですね。
その話はともかく公示地価の調査は右記のURLで👉 https://www.land.mlit.go.jp/webland/


👇エイセンハウス所在地
近辺の令和元年度の公示地価です。ここでお気づきかと思いますが、わざわざ「近辺の」との注意書きです。公示地価は例えば文京区であれば、区内の幾つかのポイントが決められており、そのポイントごとに評価を出す仕組みになっています。従いまして、当該地(ご自分の所在地)に「近い」または「状況が似ている」ポイント価格が参考値となります。


では、エイセンハウス所在地で見てみます。下記の添付資料をご覧ください。エイセンハウス所在地に一番近く、更に同じ「商業地域」のポイント評価です。






上記資料に因る評価は1㎡当たり1,440,000円となっています。従いまして、公示地価による当該地の査定(評価)は1,440,000円(㎡)となります。坪単価に直してみます。
1,440,000円÷0.3025(係数)=4,760,330円(約4,760,000万円)
従いまして公示地価での査定(評価)は約4,760,000円となりました。この公示地価評価方法は「土地評価(価格)」の中で、二番目に低い評価であると言われています。


ここで少々注意です。先ほど「近辺の」と言う文言の説明をしましたが、今回のエイセンハウスの評価も当該地では無く後楽園方向に近づいたポイントでした。従いまして、後楽園方向に近づけば近づくほど評価(査定)は高くなりますので、その意味でのある程度の評価減は必要と思います。


また再度の余談話ではありますが「路線価は公示地価の8割程度」とも言われております。試しに計算をしてみましょう。以下は計算式(路線価価格を8割で割り戻します)です。
1,120,000円÷0.8(係数)=1,400,000円となります。40,000円ほど減額にはなりましたが、ホボ同金額ですね。後楽園から遠い事を考えれば、その通りかもしれません。


③次に「相場」の査定を試みます。

相場の査定を試みる場合の基本の数字は公示地価の価格を参考とします。そこで、路線価と公示地価との関係では「路線価は公示地価の8割程度」という係数がありますが、相場を考える場合は当然、路線価より査定金額が高目の「公示地価」よりどの程度アップが適当かを考えます。

ここでアップ度の係数が問題になるかと思いますが、以前から適当と考えていた数値がありますが、最近の地価の上昇はこれまでの係数では考えられない程になっています。「需要と供給のバランス」や「どうしても手に入れたい」または「金額が競りあがってしまう」などなど、が考えられるかもしれません。バブルですね。

話戻しますが、以前から使用していた係数ですが公示地価の2割ほどアップが、多分ですが妥当な所ではないか!?と言われていました。其処で計算をしてみます。
公示地価:1,440,000円×1.2=1,728,000円 坪単価に再計算をします。
坪単価 :1,728,000円÷0.3025=5,712,396円、
約5,700,000円となりました。但し、エイセンハウス近辺での取引事例は殆どありませんが目安にはなると思われます。

尚、最近の売買価格を上記の計算方法で逆算してみますと「1.2」という係数が、大体「1.4」程度になっているようです。このことから、公示地価の1.2~1.4程度が現在での相場感となるのかもしれませんね。


④最後の査定を試みます。

其れは「一物四価」のブログ内容の「ご自身の希望金額」です。①~③などをお考え頂きながらご希望金額をお考え下さい。此処の
「査定方法はフリー」とさせて頂きます。


価格の決め方は色々あると思います。例えば「取引事例・近傍類似」などなど、いずれにしましても最終的には売主様(ご自身)のご希望と思います。

今回記載させて頂きました事柄が、少しでもお役に立つことが出来ましたら幸いに存じます。




【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

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