相続贈与マガジン5月号『遺言書VS遺留分』軍配は? ④

さて今回④の最終回ですが長女Aさんは^^^。

前回③でのお浚いとして”Aさんは妹二人から”遺留分減殺請求”を受けてしまいました。

一定の法定相続人には最低限の財産確保の権利があります。そして、この遺留分が侵害された場合、受遺者や受贈者に対し遺留分を主張し、侵害額相当を請求する権利があります。

この権利を請求することを”遺留分減殺請求”と言います。

【遺言書VS遺留分】

被相続人は「遺言」で共同相続人の相続分を決定することが出来るものの『遺留分の規定に違反することは出来ない』と定められています(民法902条1項)

@従い、例え遺言書が作成されていたとしても、遺言状の内容より遺留分の方が「優先」されることを示しています。

@但し、法定相続人が遺留分減殺請求をしない、またはしなかった場合は、例え遺留分が侵害をされていたとしても、遺言状の内容が有効となるケースもあります。

【では、長女Aさんのケースでは】

二人の妹がAさんに遺留分減殺請求をしました。

そのため、相続財産である実家の評価額9,000万円のうち、妹さん2人に各1,500万円づつ計3,000万円をAさんは支払わなくてはならなくなってしまいました。

Aさんは3,000万円などという大金の持ち合わせなど無く、相続財産も預貯金はホボ0円だったこともあり、泣く泣く実家を売却。

売却金の中から二人の妹に1,500万円づつ支払いました。

Aさんは支払いは出来ましたが、自身の住まいは^^探さなくてはならなくなってしまいました。

【予めの対策・相談が非常に重要です】

特定の誰かが「得をする」ような遺言状を作成する場合には、遺留分減殺請求をされることを踏まえての、事前対策が非常に大事になると思います。

今回の例では妹二人に対して何等かの対策(例えば生命保険を活用等)を講じておけば揉めることも無かったかもしれませんね。

今回①~④まで記載して参りました事柄は、被相続人様の意志が有効に成立させる為にも、事前の専門家への相談が非常に大事であることの証明にもなった事例と思います。

本ブログ内容はエイセンハウス提携の税理士事務所発行の「相続贈与マガジン」からヒントを得ております。

記事の更新日:2018/05/16

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