賃貸管理業者・仲介業者へのquestion&answer【其の二:賃料滞納】■民法改正を契機に保証会社加入必須が安心です。

我々の様な管理会社・仲介会社には、ホボ毎日と言っても過言ではないほど色々なご相談・ご質問等々が賃貸住宅の入居者様や賃貸住宅のオーナー様からございます。今回は其の中から、賃貸住宅のオーナー様から頂きましたご相談・ご質問で、多く寄せられた内容(テーマ)の中から、幾つか取りあげましてご紹介をさせて頂きたいと思います。尚、ご紹介させて頂く内容は本当に種々ございますので、今後も何回かに分けましてご紹介させて頂きます。また、ご紹介の形式は「クエスチョン&アンサー形式」にて記載させて頂きます。

では今回【其の二】のテーマは、オーナー様一番の関心事と思います「賃料」それも「滞納」です。
借主様の滞納は契約上、一番の債務不履行行為と考えます。従いまして悪質な要素が有れば一刻も早く契約解除と、思われるのは至極当然のことと思います。そこでのご相談・ご質問です。

【賃料等の滞納に関しますご相談・ご質問】

①Question:何時も賃料の振り込みが遅れたり、ひどい時には1ヶ月近く振り込まれなかったり、で

契約書を良く見ましたら、賃料の支払いを1回でも怠った時には賃貸契約を解除できる、と書いてあったので解除したいが本当に出来ますか?とのご質問です。

①Answer:確かに契約に於いて債務不履行が有れば、催告(支払って下さいと催促する)の上で契約を解除することは出来ると思います。しかし、賃貸借契約は貸主・借主との信頼関係に基づく、継続性のある契約でもありますので、解除を認めるには賃料の不払いという事実の他に、借主・貸主間の信頼関係が破壊されたという事情が必要とされているそうです。一般的ですが、賃料滞納1回程度では信頼関係が破壊された迄には至っておらず、3回(ヶ月)以上滞納した場合には信頼関係が破壊すず事情があり、解除が認められるケースが多いと伺っております。




②Question:借主が3ヶ月も賃料を滞納したので、催告をした上で借主に賃貸借契約を解除する旨を伝え(意思表示した)てお部屋の明け渡しも求めました。ところが、解除の意思表示をした後で、借主が滞納賃料の1ヶ月分を支払ってきたのですが、既に行っている契約解除の効力に果たして影響は出るものなのですか?とのご質問です。
②Answer:Question①の通り賃料を3ヶ月も滞納をしていれば、借主・貸主間の信頼関係は破壊されており、更に催告もされているならば契約解除は認められると思われます。そして、一旦信頼関係
が破壊され、更に有効に賃貸借契約が解除されたことは、その後の滞納賃料の支払いが有ったという事情には影響は受けないと考えられるようです。例え、滞納賃料全額の支払いが有ったとしても、影響は受けないと考えられるようです。


③Question:過去に幾度も賃料等の支払いが遅れた時が有ったので、今回の契約には少々高目の損害金を設定したいと考えたが、問題は無いでしょうか?というご質問です。

③Answer:例えば年20%の遅延損害金を支払うと定めた場合。借主が個人の場合と、借主が法人又は個人でも事業者であるような場合とに分かれます。個人の場合の契約者は消費者契約法の「消費者」に当たるので侵害金の上限は14.6%でなので、其れを超える部分については無効ですね。
また、法人や個人でも事業者の場合には消費者契約法の適用はありませんので、仮に年20%と遅延損害金の定めも無効とはならないと思われます。但しですが、あまりにも高率な設定は否認され無効となる可能性も有るように聞いています(公序良俗に反する)



④Question:賃料を催促しても支払わない借主がいるので、思い切って部屋の鍵を取り換えては入れないようにすれば、賃料の支払いをすると思うがどうだろうか??とのご質問です。

④Answer:賃料の支払いを催促しても支払わない借主には、腹が立つのは当然ですが、賃貸借契約を締結している以上、法律に則り処理をしなければなりません。部屋の鍵を取り替える行為は原則、違法な行為と解されてしまいます(自力救済行為)

👉👉👉自力救済行為に関します本ブログもお読み頂ければと思います。こちらからご覧下さい。



賃料等の滞納は長期化しますと問題解決にも、長時間が必要となります。我々のような管理会社にも貸主様に因りましては、2ヶ月~3ヶ月の滞納が有ってからの相談に来られるケースもございます。
ここからの滞納者への対応は正直大変困難でございます。

貸主様には毎月必ず滞納者がいないか、の確認が非常に大事な事と思います。更に、確認遅れに因りますリスクは大変であることも認識をして頂きたく存じます。」


最近では「保証会社」の利用も増えてきています。エイセンハウスでは保証会社必須!をお奨めしています。
しかし、例え保証会社を利用されていましても、保証会社と借主間での契約の仕方如何では、保証が受けられないケースもありますので、貸主様、要注意!!です。


👇👇👇こちらの、本ブログタイトルにて内容のご説明をしております。

『家賃債務保証会社、所謂「保証会社」の仕組み。改正民法施行による賃貸契約時の保証の激変に対応するため』

【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

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