道にも色々ありまして勘違いすると怖いです。「第3弾:私道の通行に関する権利?」誰でも大手を振って歩けるのでしょうか?

==道にも色々ありまして勘違いすると怖いです『第3弾』==

本ブログ第1弾「道にも色々ありまして勘違いすると怖いです」でも触れていますが、私道の通行・利用・使用に関する問題です。本ブログでの「私道」とは読んで字の如く「私人が所有者」となっている道路、という意味で話を進めていきたいと思います。私道に対し「公(おおやけ)」が管理・所有する道路は「公道」ですね。


『一つの例をあげてみます』

以下の写真に写っている「道」👇👇👇は「私道」です。弊社、エイセンハウスのビルの西側の道です。写真を良くご覧頂きますと道の奥はまだ狭くなっていますが、手前の道幅は広くなっています。建築基準法上の42条2項道路(所謂、看做し道路、セットバックが必要な)です。

道路の中心からお互いに2メートルづつセットバックして新築(建築)されています。従いまして道路幅員は合計で4メートルになります。建築基準法上の幅員が確保される訳ですね。


               



更に写真中央付近にも👇👇👇同様の42条2項道路(所謂:看做し道路)があります。エイセンハウスの建物の南側になります。因みにですが、この2つの「私道」の所有者は当然ですが「私人」です。

               



@余談ですが@
私人所有という現実の結果が下の写真でも伺えます。写真中央ですが東京電力さんの電柱が建っています。此処は「私道」の一部ですので私人所有です。従いまして東京電力さんは勝手に電柱を建てる訳にはいきません。ので、その土地を「借りて」いる状態です。従い、借り賃の支払いが生じています。
また、土地の固定資産税ですが一般の通行を認めているので、税金免除、非課税扱いになっています。


               


@またまた余談の余談です@
👇👇エイセンハウス店舗前の写真です。都バスの春日2丁目停留所が有ります。この道(歩道も含めて)は春日通り、国道(公道)です。では、良く見かけます光景ですが、バス停に椅子や灰皿などが置かれていることが有ります。弊社でも乗客の方には便利なこととは思うのですが、ゴミ等が氾濫し大変汚れが目立ちますし、喫煙に因る迷惑も考え撤去したいとき、さて、何処に言っていけばよいでしょうか。バス停なので都営交通さんへ??、、ではなく公道(国道)に置かれている、という扱いになります。従いまして公道(国道)を管理しているところ、今回は国道ですのでお茶の水の万世橋に出先機関が有りますので、そこに連絡して撤去して頂くこととなります。少々面倒なことですね。

             




前置きが少々長くなってしまいましたが此処から本文を。

前置きで私道とは私人が所有する物である、更に、私道には建築基準法上の道路(42条2項道路:所謂、看做し道路)もある、との説明をして参りました。


そこで、この私道の考え方なのですが、私道はあくまで「私人が所有する土地」なので、公道(公の)と異なりますね。従い原則として其の所有者(私人)の了解が必要です。了解・許可が無ければ通行は出来ないこととなります。

しかし、現に最初にご紹介しました通り「私道」を通行しています。何故でしょうか。それは、その土地(当該地)を通行できる権利を有しているものと考えられるからです。

■第一番目に考えられる通行権:通行の自由権
建築基準法上の適用を受ける道路です。この法律の目的は、交通の確保や防災活動(特に火災など)・災害の際の避難に備えることです。これらの事柄に因り道路として維持するための一定の制限を受けることになります。そのため、その反射的利益として第三者(一般公衆)は通行できています。
『反射的利益とは:法律上の権利とは認められない利益のことを言います』

■第二番目に考えられる通行権:契約に因る権利
この権利は一目瞭然ですね。賃貸借・使用貸借等の契約による「通行権」は債権契約に基づいていますので、問題になることはあまり無いかと思われます。

■第三番目に考えられる通行権:囲繞地通行権(所謂、袋地の通行権)
囲繞地通行権(袋地通行権)とは、自身の土地が他人の土地に囲まれている状態で、他人の土地を通らなければ公道まで出られない場合、その所有者(他人様)の承諾を得ないでも公道まで通行できる権利を言います。但し、何処を通行しても良いということではありません。無制限では無いのです。通行者にとって必要の範囲で、且つ、最も土地所有者に損害を与えない範囲で認められています。

■その他の通行権も有るかもしれません。

このように一般の方が私道を通行できるのは、権利ではなく反射的利益にすぎないというのが原則の様です。このような内容により私道に関するトラブルは結構な数で起こっています。

例えば、私道自体の安全性に問題が有る様場合(車の往来による危険性など)には、それを無視してまでも通行を了解・許容する義務までは所有者には無いと思われます。

私道、という言葉の意味自体が多義的な要素を含みますので、その分、トラブルの「種」にもなっているのだと感じております。もしも、この種のトラブルが起きた場合の相談は、やはり専門家に伺うのが解決への一番の早道だと感じております。





【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

  

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