「不動産の交換をしたいのだが」のご相談承りました。
「等価交換」という言葉お聞きになったことあると思います。
また、あのマンションは等価交換で建築して地主さんは幾つかお部屋を貰ったそうだよ、なんて言うお話もお聞きになったこともあるかと思います。
今回のご相談は地主さんが、という事ではなく単にご自分所有の不動産と息子さん所有の不動産との「交換」という事でした。
【そもそも交換のメリットは】
断然「税金が0」の効果を期待するという事に尽きるかと存じます。評価金額が同じ(等価)の物件を単に交換したわけだから、お互いの利益=0円、なので「税金も0円」ですよ、と、主張したいわけです。
【税金0円の根拠は】
現在での法令等では「固定資産であります土地や建物」を「同じ種類の資産と交換」したときは、譲渡が無かったものと看做す、という特例がございます。この特例を「固定資産の交換の特例」と言います。
【交換にあたっての要件は】
この特例の要件の一つに「同じ種類の固定資産でなければならない」という事がございます。
【例を挙げます】
1.土地建物の所有者様と土地所有者様が時価は同じ2,000万円の固定資産を交換したとします。
総額は同じ2,000万円で等価なので「税金は0円」と思いがちですが、ここで「同じ資産で」の文言が引っかかります。
要は「土地」と「土地建物」の交換ですので、建物部分については「特例」の対象外となってしまいます。更にこの場合交換で建物を受け取った方は「交換差金」を受けたことにもなります。更にさらに、交換で受け取る建物の金額が譲り渡す土地の金額の20%を超える場合には、土地についても対象外となってしまいます。
2.上記1.で金額の内訳を以下とし交換した場合はどうなるか。
A様:土地1,800万円、建物200万円=2,000万円。
B様:土地2,000万円。
@A様は建物を200万円で売却したことになります。
@B様は交換で200万円の交換差金を受領したことになります。
しかし、土地に付きましては「特例」の対称内になります。
(2,000万円×20%=400万円≦200万円)
【今回のご相談は】
一戸建て住宅と分譲マンションとの交換でした。固定資産としての考え方は、各々「土地・建物」同士であるので問題は無いか、と思われます。
評価金額も「時価」でみましたら極端な差異はありませんでした。では土地・建物別個に考えてみます。
@一戸建ての評価は「土地が大」で、建物はかなり低目の評価となるいそうですね。
@分譲マンションはと申せば戸数も多く、当然、土地評価は下がるものと思われます。きちんと精査したわけではありませんが、多分「土地部分」での20%超えが予想されました。従いまして今回は「見送り」される方がよろしいのでは、と、お答えをさせて頂きました。
【各固定資産の評価が肝です】
交換の効果は大きいと思われますが、しっかりとした「評価」が基本と考えます。ご契約(交換契約)をされます前に専門家(税理士さん等の)に良く相談されますことをお奨めいたします。