【民法改正】『賃貸物の一部滅失等に因る賃料の減額、新611条』【賃貸契約への影響】2022年4月施行から2年と半年経過しました。

【2022.9.15】==2020年4月1日から施行されました「改正民法」は、本年、2022年9月にて2年と半年が経過しました。賃貸契約の殆どは2年間ですので漸く1クール(更新契約が終了)経過となったと思われます。一応、一区切りついた頃合いで色々な問題点(解釈の違いなどなど)が見えてきて、その内容に関するクレームの発生、或いは、解釈の仕方の説明を求められる等々、愈々これから始まるのかもしれません?。そこで、大変しつこいかもしれませんが、再再度とは思いますが掲載いたしましたのでお目通し頂ければと思います。

【2021.7.24】==改正民法、昨年4月1日施行から1年チョット経過しました。賃貸契約に関しましては「保証」部分が大幅に変更となりました。内容は既にオーナー様にはご存知のことと思います。また、借主様にもホボですが浸透してきたかと思われます。ただ、新規契約の際の問題は無くなった感じですが、賃貸契約期間中での何某か変更を要する際、十分なる注意が必要かと感じています。
折角の保証契約が「無効状態」になるかもしれませんので。注意が必要ですね。


【2021.2.25】==2020年4月1日施行の改正民法、そろそろ約1年になります==

本年4月1日から施行されています「改正民法」ですが、年末にて約9ヶ月を経過しようとしております。内容も前回記載させて頂きました2020.10.12より、更にオーナー様はもとより、借主様にも漸くですが定着の気配を感じております。ただしですが、この定着は「新規に賃貸契約を締結する場合の但し書き」が付いている様にも感じられます。

例えば既存契約に於いて個人の保証契約の「契約期間中の保証人様の変更依頼」とか、「契約更新時の保証人様変更依頼」などが、この9ヶ月間でも数件ではありますがご依頼を受けました。改正民法前で締結されました「個人による保証契約」の場合で、保証人様を変更される際には「改正民法の規定」が適用となります。従いまして、個人保証=極度額の設定、が必要となります。仮に、極度額設定無での保証人変更は、例え、保証人様(変更後の)に署名・捺印(実印としても)を頂いていたとしましても、保証契約は成立してなく「無効」となってしまいます。充分なるご注意が必要です。

本ブログ内容はホボ毎日のようにお読み頂けております。ありがとうございます。

この9ヶ月間で気になりました所、少々付け加えさせていただき再度掲載させて頂きました。少々、しつこいかと存じますが👇👇👇
【改正民法以前に個人保証にて締結された契約での保証人様変更にはご注意を!】


==2020.10.12==

2020年4月1日から施行されました「改正民法」ですが、施工後、約半年近くが経過しました。漸く「改正内容」が少しづつではありますが、周知されてきたような気がしておりますが、まだまだ新たに賃貸の募集を承るに際しましては、各オーナー様に改正内容のご説明をさせて頂いております。既にご承知済みのオーナー様には申し訳ございませんが、再度、その改正内容の一部を再度本ブログにアップさせて頂きました。お時間ございましたらお読み頂けましたら幸いでございます。


以下👇👇👇再度アップしましたブログです。

【改正民法の施行がいよいよ目の前(2020年4月1日~)に迫って来ましたので、以前に掲載をしましたブログ記事を再度で登板をさせていただきました。本ブログは賃貸不動産の賃貸借契約のうちの改正民法お中の1つの点であります『賃貸物(賃貸住宅等)の一部滅失等になった際の問題点(賃借人からの賃料の減額請求』に関し記載をしております。他にも民法の改正点(保証関係・敷金清算等・原状回復などなど)は別ブログにてご紹介させて頂いていますので、そちらもご覧願えればと思います】


👇ここからが本文となります。

2020年4月から施行されます新しい民法の内容の内、賃貸契約に影響を与えると思われます事柄に付きまして記載して参りたいと存じます。2020年の4月からと申しますとマダマダ先のお話しとお考えかもしれませんが、あれこれ、と考えあぐねていますと、1年はアットいうまに過ぎてしまいますね。出来ましたら「方向性」程度は決めておければと思われます。


今回取り上げさせて頂く内容はオーナー様の賃貸経営にとりまして、大変重要な改正点の一つでございます。

そのテーマは『賃貸物の一部滅失等に因る賃料の減額等(新法611条)』です。
現行の民法下ではこのような場合には『借主は賃料の減額を請求できる』と規定されています。
しかし新民法では、
☆「賃借物の一部が使用及び収益出来なくなった場合も含む」
☆「借主の請求を要せずに当然に賃料の減額がされる」
という規定が新たに追加されました。



【追加した根本的な考え方として】
まず、賃貸人(オーナー様)の義務という考え方と思われます。
結論的に申し上げさせて頂ければ、「貸主様は賃貸物件を賃貸する場合は、借主様に使用できる状態に修繕する義務がある」ということと思います。


身近な例お話させて頂くと「レンタカー」などの場合「パンク状態では貸せません」「ブレーキが利かなければ危なくて」「ウインカーが出なければ右・左折解りません」当たり前のことですが、ちゃんと乗車できる状態にしてから貸しなさい、ということです。

従いまして「義務」的なものですから、入居者様に「こんな状態では安心して住めないよ!」と言われないように、修繕することが必要だと考えることが良いと思います。従いまして、『入居前チェックが今以上に重要』が問われるかと考えます。
但し例外は当然にあります。
それは、入居者様の責に帰すべき事由の場合には当然にこの限りではございません。当然ですが。

【では、入居期間中の設備故障になった際には】
今後は、もし、エアコンや給湯器などの設備が故障して使用が不可になった場合、急ぎ修繕するのはオーナー様として当然なのですが、今までは賃料の減額義務までは明示されていませんでした。
修繕が遅れたりで揉めてしまった場合「賃料を下げて欲しい」と要望をされる程度であったと思います。しかし、改正民法では入居者様から賃料の減額要求をされなくても「当然に賃料は減額される」という内容となります。


【減額する金額はどの程度なのか】
今回の改正では入居者様の責めに帰すことが出来ない事由にての場合には、賃料をその割合に応じて減額するというような内容であり、『幾ら減額しなさい』とまではさすがにそこまでは、定められていないと思われ、逆に改正民法の施行までに賃貸借契約書の中に規定を盛り込む必要があると考えます。
盛り込む内容ですが多分のお話で恐縮では有りますが、各々の修繕箇所に因って違いが有ると思われますので、その箇所箇所で規定を決める必要が有るものと思います。

【国土交通省の考え方はどうなのか?】
国土交通省の考え方としましては次のような解説をされています。
『一部滅失の程度や減額割合については、判例等の蓄積に因る明確な基準がないことから、紛争防止の観点からも、一部滅失が有った場合は、借主が貸主に通知し、賃料について協議し、適正な減額割合や減額期間、減額方法等を合意の上決定することが望ましいと考えられる。』と述べています。

【では、何等かの指標はないのか?】
公益社団法人日本賃貸住宅管理協会の「サブリース住宅原賃貸借契約書(改訂版)」には、こういった場合の金額について記載があります。そこには設備故障の状況別に、賃料減額割合と免責日数が規定をされています。参考までに以下に記載しておきます。
1.トイレが使えない:減額割合30%(月額)免責日数1日。
2.風呂が使えない:減額割合10%(月額)免責3日。
3.水が出ない:減額割合30%(月額)免責日数2日。
4.エアコン不作動:減額割合5,000円(月額)免責日数3日。
5.電気が使えない:減額割合30%(月額)免責日数2日。
6.テレビが使えない:減額割合10%(月額)免責日数3日。
7.ガスが使えない:減額割合10%(月額)免責日数3日。
8.雨漏りに因る利用制限:減額割合5~50%免責日数7日。などとなっております。

【上記記載を基に例を上げまして計算を試みてみましょう】
例:賃料10万円の賃貸物件でトイレが3日間使えなかった場合をとします。
計算=賃料10万円×減額割合30%×日割り3/30-免責日数1日
減額金額=2,000円が賃料からの減額の目安となります。


果たしてこの計算方法で借主様が納得して頂けるかは別としましても、減額既定の「モデル」としては大いに参考になるのではと思います。エイセンハウスではこの計算方法を「指標」にしていきたいとは考えております。




【エイセンでも過去に経験した事柄ですが】
今回の改革はオーナー様にとりまして「悪いことばかり」でしょうか?それとも!!??
過去の例を上げさせて頂きます。
『エアコンが壊れて眠れないためホテル代をだして欲しい』『子供が汗疹になったので治療費を請求したい』『風呂に入れないので銭湯代を支払って欲しい』等々主張をされます借主様もおられます。


また、給湯器が壊れた際にも交換工事に立ち会うために会社を休んだので『休業補償を請求する』などとも言われたこともございます。
更には『修繕が終了するまでは賃料を払わない、当然のことですね』と堂々と主張されたこともございました。過去のそれらの事柄などに対応するための「工夫」が、今回の改正民法の規定にて出来ないものかと考えます。出来る可能性は有るかとは存じます。

【賃貸借契約の締結時に署名を交わすことになると感じています】
何事も「最初が肝心」ですね。今までは、設備故障の時に掛かった迷惑の「お金に換算するとどの位になるの?」というガイドラインが無かったため、揉め事も膨らみ、且つ増加をしたのではないかとも考えられます。
それが今回の改正民法で「契約締結時」にお互い合意して契約を交わす事となると思われますので、オーナー様にとりましても「悪い話」ばかりでは無いかと存じます。

【契約書にどのような形で反映させるか】
前述しました通り今回の改正がオーナー様に「悪い話」ばかりではないような気がしております。
また、改正民法は2020年4月1日から施行されますので、その間でいろいろな議論がなされるものと思います。更に契約書にどの様な記載の仕方で反映させれば良いのか、が徐々にではありますが、明確になってくものと思います。重大なる関心をもって見守って参りたいと存じます。


尚、新611条の他にも『修繕』に関係する改正されました点がございます。オーナー様の出費にも影響が有りますので追加にて記載させて頂きます。


【新606条但し書き】
賃借人に帰責事由が有る場合には賃貸人は修繕義務を負わない旨が明確になりました。


【新607条の2】
賃借人は自ら修繕が出来る規定が新たに設けられました。但し、この場合には理由が必要です。
・まずは賃借物の修繕が必要である場合。
・賃貸人がその通知を受け、又は修繕が必要で有ることを知っているのに相当の期間内に修繕しない。
急迫の事情がある場合、賃借人は自ら修繕出来る。などです。


【オーナー様の出費に係わるかもしれない点】
何故?出費に係わるのか?それは賃借人は急迫の場合には自ら修繕できる、という項目の為です。急迫の事情、とは何か?は問題となるとは思いますが、オーナー様の修繕時期に因りましては、賃借人が自ら行った修繕費用の請求をされる可能性が予想されます。


今回の改正民法は修繕関係に関するダケでも相当な課題が有るものと思いますので、改正民法という件に関しましては相当な余裕を持って対処されるべきと考えます。


【修繕問題に発展しかねない問題点は】
今回の本ブログでの根本的な事柄は『貸主様は賃貸物件を賃貸する場合は、借主様に使用できる状態で引き渡す義務がある』ということと考えます。従いまして以前に記載しましたブログも大変関連した内容となっているものと思いますので、こちらも再度お読み頂ければと考えました。
お読み頂きたいブログはこちらです。


我が街文京区の宣伝マップです。公園等の「緑」が結構多く見られると思います。ご家族連れでのお散歩如何でしょうか。是非、我が街、文京区にお出で下さい。👇👇👇


【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

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