賃貸住宅経営「修繕計画」必須です。改正民法『賃貸物一部滅失等による賃料の減額』の対応にも。其の二【再掲載】

イメージ写真はエイセンハウス管理物件のフローリング床改修(張替)工事の様子ですが、実は、鉄筋コンクリート造のマンションでも、築後30年近くにもなりますと何と言いましても、一番気になりますのは『水回り』ですね。水回り、特に気を付けなければならないのは『給湯管、給水管』だと思います。給湯管、給水管には常に「圧」が掛かっていますので、たとえチャンと蛇口が閉まっていたとしましても、その圧力で「漏水」がおきてしまいます。その結果、、大変嫌なお話ですが階下に甚大な被害が!となってしまう可能性が「大」です。

床改修(張替)工事ですが「本命は」水回りの点検・確認・改修ということでした。床改修は、そのついで、となりますね。また、其の又ついでに「上下階の音対策」も、一石二鳥どころか一石三鳥!の改修工事となりました。


👇👇さて、ここからが本文です。

殆どのオーナー様は賃貸住宅の修繕計画は大事であることは、当然のことながらご理解されているものと思います。しかしながら、修繕に関しましてオーナー様にお聞きしますと、どうしましても費用の点が一番気になるとの回答を頂きます(当たり前のことですが)そこで、今回はその費用に付きまして少々記載して参りたいと思います。

【どのくらいの費用が必要となりますか?】

金融機関からの借入期間、30年間として纏めた資料がございます。それは、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管脇)という団体が纏めたものです。この数字を用いて計算をしてみました。


■サンプル例としまして

具体例=RC造、1K、10世帯、建築費5,000万円。計算しました結果は以下の様になります。

@0年~10年:60万円(4%)。

@11年~20年:578万円(36%)。

@21年~30年:975万円(60%)。

新築から10年間程度ではあまり費用は掛からないようですが、10年超えから10年間の間では578万円が必要であるとの結果が出ました。

更に20年超えからは975万円が必要(この頃から特に「水回り関係の修繕」が顕著になります)

『30年間のトータルでは計1,613万円にもなります』

ここで建築費は5,000万円でしたので単純計算ですが30年間で建築費の36%の修繕費用の準備が必要という事となるかと思われます。



【どのような準備が必要か】

大まかな目安かもしれませんが、30年間で1,613万円ですので、1,613万円を360ケ月」(30年)で割りますと約45,000円となります。従いまして毎月45,000円を賃料収入から積み立てておけば良い、ということになるかと思われます。
このように修繕計画を立てることに因り「備えておかなければ」の意識が高まるものと思います。



【賃貸経営には他との差別化が絶対必要】

但し、この準備の費用には他との差別化の費用は含んでいません。新築当時は「新築効果」で何年かは賃料も維持は出来るかもしれませんが、絶対と言っても過言ではないくらい、経過年数に因る設備更新が必要となると考えます。その点も修繕計画以外に考慮しておくべき重要な課題であると思います。


次回、其の三では「まとめ」を記載したいと思います。


【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

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