【タワマン相続新ルール適用か!?】2024年、新ルール適用の場合実勢価格60%に課税【第1回】

昨年の2022年4月19日最高裁判所は、『マンションでの路線価評価を認めず』との判決を言い渡しました。今後、不動産を活用した相続対策は認められなくなるのか?!と言った、不安の声も上がっているように感じました。

では、本ブログ第一回といたしまして、最高裁判所は何故?今までの考え方と異なる??判決を出したのか、又は出さざるを得なかったのか、を考えてみたいと思います。

不動産を利用・活用した相続対策は以前より一般的に行われてきました。何故なのか、例えば現金、預金が5,000万円あり+有価証券5,000万円(時価)を所有していた場合、5,000万円+5,000万円=1億円が相続税評価額となり課税されます。

しかし、土地や建物などの不動産の場合には『購入額』ではなく、相続が生じた時点での相続税評価額が「時価」となります。昨今の状況を見てみますと、購入額より「以下」になるケースが一般的と思われます。そのため、高額の金融資産(現預金、有価証券など)を保有している方が、不動産の購入により相続財産(評価額)を引き下げることが良く行われてきたものと思われます。

また原理原則で申し上げるならば不動産については、税務署が「個別に不動産鑑定」を行って評価をしなければならないようなのですが、現実問題として膨大な事務作業となり、且つ多額の費用も必要ともなり業務の支障をきたす恐れがあるため、通達により路線価などを用いた画一的な相続財産評価額を時価とする、と相続税法で定めてある様です。

では何故今回は?この路線価評価が認められなかったのか?この点が非常に気になりますし、また今後に向けての不安要因でもあると思われます。その原因は?探ってみますと・・・(概略を記載します)

■被相続人は平成21年に一棟マンションを8億3,000万円で購入。

■また平成24年に更に一棟マンションを5億5,000万円で購入。

■各購入時の自己資金は2億7,000万円と4,700万円。残りは全額信託銀行から借り入れ。

■そののち平成24年6月に被相続人が死亡。

■通常通り(路線価評価に因る)に申告した評価額は2棟合計3億3,300万円。

■そこで従来通りの方法で他の相続財産から借入金を差し引き最終的に『相続税額=0円』と申告。

■従来通りの方法とは世間一般の相続人と同じ評価方法での計算です。👇👇👇

  【しかし!一審・二審を経て最高裁では国税当局の申し立てに軍配が上がりました!?】

では何故!?最高裁判所は否認したか、また、国税当局の勝訴となったのか?

■相続人は被相続人が亡くなって相続発生9ヶ月足らずで一棟のマンションを売却した。しかも、その売却金額は5億1,500万円であり、申告相続税評価額よりはるかに高い時価を露出させた。

■しかも申告期限の直前でもあり、節税対策が主目的であったと受け止められたようです。

■被相続人が取得したもう一棟のマンションは取得後3年は経ておらず、3年ルールーに抵触していたことが判明したようです。

■また、融資を行った信託銀行の貸出稟議書等に「相続対策」との明記も注目されたようです。

纏めとしましては・・・。

 【あからさまな「節税対策」は要注意!!他の納税者との間で不平等を生じることはダメ!】

【ここで、参考資料の記載によればですが・・】どうやら、路線価での評価と実勢価格での評価との『乖離』についての問題は無かったようである、とのことです。

但し、誰が見ても節税対策としか明らかなケースについては、、NO!が突きつけられる有り得そうです。今後は対策時期や節税目的では無いことの証明など、講じていく必要が大切であるとのことです。

■今回は!!「路線価評価」が認められない稀なケースですが、今後、今回の最高裁の判断が相続財産評価方法にどのような影響を及ぼすか、見守って行く必要があるかと思われます。

■本ブログ記載時には既に国税当局から「評価方法」の「案」が示されています。第2弾~はその内容などを記載していきたいと考えております。

【この記事を書いた人】
エイセンハウス有限会社 代表 岡野茂夫
1952年生まれ。東京都立向ヶ丘高校卒業と同時に家業の和菓子店「岡埜栄泉(おかの_えいせん)」に入店。和菓子職人の修行の道に入る。1986年頃から春日通り収用計画(道幅拡幅工事)に因り和菓子店も建直しを余儀なくされる。新築する建物に“賃貸住宅併設計画“をした為”宅地建物取引士“の資格取得を目指す。1987年、資格を取得と同時にエイセンハウス有限会社(商号は「岡埜栄泉」のエイセンから)設立。平成7年和菓子店「岡埜栄泉」は閉店し不動産業に専念し今日に至る。

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